IoT Security Assessment

IoT Security Assessment

 

IoT化が進み、通信機能を新たに持つようになったモノは飛躍的に増加しました。そしてIoT化に伴い、ワイヤレス通信を行う電子機器もまた年々多様化しており、これまで有線接続が必要だった機器がコードレス化することでその利便性や可用性が大幅に向上しています。
一方でこれらのIoT機器は、当然ながら従来よりインターネット上に存在するシステムやサイトなどと同様に、悪意あるものから脆弱性を突いた攻撃を受ける危険性をはらんでいます。にもかかわらず、特に無線を搭載するIoT機器については、機器に潜む脆弱性の検査や簡便な可視化の手段が乏しく、脆弱性の対策が技術的進歩に比して十分ではない状態が継続しています。

IoT Security Assessmentは、無線IoT機器に対して外部と内部の両面から検査を行います。製品に潜む脆弱性の検出や各種セキュリティ規制で求められるセキュリティ試験などを行い、その結果の可視化までを一元的に行うことができ、セキュリティ管理体制の簡素化や効率化が実現できます。

 

特長

IoT Security Assessmentは、IoT機器に対して行いたい検査別にモジュールが用意されており、内容に応じて必要なものを選択することができます。
そのため、検査・試験から結果の可視化まで対応できる多機能な側面は勿論ですが、必要なモジュールに絞った導入ができるためオーバースペック品を導入しなくてもよい側面も当製品の特長といえます。
用意されているモジュールには下記のようなものがあります。

  • IPv4通信
  • WLAN通信
  • Bluetooth通信
  • ファームウェア解析(SBOM生成機能を含む)

Rich OSのファームウェアを対象にしたものとベアメタルのファームウェアを対象にしたものが選択可能です。


※本製品ページに掲載の情報(画像や仕様など)はいずれも2025年8月現在のものであり、予告なく変更となる可能性がございます。最新の情報につきましては、お手数ですが営業担当までお問い合わせ下さい。

IoT機器が内包するリスクの例

IoT機器がめざましい技術的進歩を遂げている一方で、脆弱性対策はIoT機器のセキュアな利活用を十分に下支えできるほどの発展をしているとは言えません。今日のIoT機器は、悪意のあるユーザーによって多様な攻撃被害に遭う危機に瀕しています。

  • スマートロック

アクセス制御を不正に取得され、利用者が意図しない施錠や開錠が行われてしまう

  • プリンター

リモートコードの不正な実行、またそれらのネットワーク全体への拡散が発生してしまう

  • ストリームカメラ

ライブ映像や音声が傍受されてしまう

  • 投薬機器

既定の投薬量が確認なく不正に変更され、患者に誤って投与されてしまう

このような攻撃被害を防止するために、IoT機器は以下の様々な側面からセキュリティの検証と対策が求められています。

  • チップセットやハードウェアのセキュリティ

サイドチャネル攻撃や情報の改ざんなど、物理的な脆弱性による被害を防ぐための対応が必要です。

  • ファームウェアのセキュリティ

アップデートが安全に実行されるか、組み込みソフトウェアに脆弱性が含まれていないかなどの検証と対策が必要です。

  • ネットワークプロトコルのセキュリティ

保護されていないネットワークトラフィックがないか、プロトコルに未知の脆弱性がないか(ファジング試験)などの検証と対策が求められます。

  • アプリケーションソフトウェアのセキュリティ

認証機構に脆弱性がないか、Webベースの攻撃に対しての露出がされていないか、などへの検証と対策が必要です。

IoT Security Assessmentは、物理的な攻撃を除く、全ての検証や対策を一元的に実行・管理することが可能です。

SBOMへの注目とセキュリティ規制新設の流れ

昨今のIoT機器は、内製ソフトウェアの開発に比べて大きく工数を削減できるとの背景もあり、オープンソース・商用を問わずサードパーティ製のソフトウェアを組み込む流れが大きくなっています。ただしそれらのソフトウェアが機器内のどの部分にどのような形でどのくらいの数、どの段階で組み込まれているか、全て明確に管理されているケースは多くありません。
サードパーティ製のものがどの部分に組み込まれているか不明瞭な機器は、その機器で脆弱性が見つかった際にその解消を困難にします。特にサードパーティ製のソフトウェアが脆弱性を含んでいると、開発段階で内製部分の脆弱性検証を十分に行っていても開発者側が想定していない形で脆弱性が発現し、問題が発生している部分の特定や特定後の対処に多くの時間を要してしまいます。

このような問題点への対策として、近年はSBOMへの注目が高まっています。
SBOMとはSoftware Bill of Materialsの頭文字をとった略称であり、簡単に言うとソフトウェアの部品表です。製品や機器の中に含まれているソフトウェアを構成するコンポーネント、さらにはそれらの依存関係やライセンス情報、バージョン情報などを全てリスト化したものであり、実際にどのようなソフトウェア・コンポーネントが組み込まれているかを把握することができます。
世界的にもSBOMを活用する流れは広まってきており、米国やEUなどでは実際にSBOMへの対応義務を法的に定めた規制や標準も成立しています。
現在までに成立している規制や標準は、政府が導入する機器や医療機器など、特に高い安全性が求められる製品や機器に限定されています。しかしEUと米国でこれらの規制・標準が誕生したことで、日本を含む他国もSBOM規制に関する取り組みに追従し、世界的にSBOM活用の流れが今後も拡大していくことが予想されます。

IoT Security Assessmentは、SBOM の作成を行うモジュールも用意されています。本製品を導入いただくことで、今後到来するであろうSBOM対応が求められる情勢にいち早く対応し、セキュアな運用を強化する環境を整備することが可能です。


※本製品ページに掲載の情報(画像や仕様など)はいずれも2025年8月現在のものであり、予告なく変更となる可能性がございます。最新の情報につきましては、お手数ですが営業担当までお問い合わせ下さい。